ヨガの起源シリーズ24


【今を生きること(正念)[前編]




前回は「正精進(しょうしょうじん)」というものをみていきました。





「正精進」とは「努力せずに努力する」ということでした。





自分の天命(心からやりたいと思うこと=この人生でやるべき課題)がみつかると、それに関する努力は、本人からすると喜びや生き甲斐でしかなくなります。





それが、他人から見れば計り知れない努力に映るわけです。





これが「努力せずに、努力する」ということであり、それを「正精進」といいます。





この「努力」は、喜びや生き甲斐ではありますが、楽しいばかりではありません。





当然、壁にぶつかったりして心が折れそうになることもあるでしょう。





しかし、それらは期間限定の苦労でしかなく、トータルで見るとその苦労すら喜びとなるものです。





これが、正しい努力ができているということです。





この「正しい努力」が深まると「正念」になっていきます。





「正念」とは、「今を生きること」です。






「念」という字は「おもい」と呼ぶこともあります。





「おもい」という漢字は3つあります。




【思い】

【想い】

【念い】



の3つで、それぞれに意味合いが異なります。





【思い】という字は、「田」+「心」で構成された字です。





田とは、大切な食料の実ところです。





現代と違い、スーパーやコンビニに行けば食料が簡単に買えるなんてありえませんでした。





そういう意味で、命をつなぐ、大切な場所だったわけです。





そんな田に「稲がちゃんと無事に育っているだろうか」とおもいを馳せる…





こういう情緒が【思い】という意味です。





それから【想い】は、相手に心を向けること。





「思いやり」や「愛情」、「気遣い」といったものが【想い】にあたるでしょう。





そして【念い】とは…





「今」という字に「心」がくっついています。





つまり、心が今という刹那の一瞬を捉えている状態です。





これが「今を生きる」ということでもあります。





今という、刹那の瞬間を捉えるには突き抜けた集中を必要とします。





この集中とは、勉強に集中するとか、仕事に集中するという、対象を限定したような集中ではありません。





俗にいう「一点に集中する」ということとは違うわけです。





では、どういう状態かというと「すべてに同時に集中する」ということです。





普通に考えると、すべてに同時に集中するなど不可能に思われます。





しかし、深い瞑想状態に入ると、この「すべてに同時に集中する」ということが可能になります。





そしてこれが、別の言い方をすると「真剣に生きる」というわけです。





今という時間を脳科学や神経学で表現すると「0.2秒以内の世界」といえます。





たとえば、手でテーブルの上にあるコップに触れたとします。





手の皮膚でコップに触れ、その信号が神経を通って、脳がコップに触れたと感じるまで「0.2秒」以上かかります。





反射神経の優れた人でも「0.2秒以内に感知することはできない」という実験結果がでています。





この「0.2秒以内の世界」に入ることができる状態が本当の意味で真剣になれた時です。





スポーツでいうところの「ゾーン」の状態が、これにあたります。





「ゾーン」とは、超一流のスポーツ選手が、プレー中に極限の集中状態を迎えたときに、相手の動きや、ボールなどが止まって見えるといわれる状態です。





このとき、身体は極限までリラックスしています。





逆に、勉強や読書などで集中すると、周りの音が聞こえなくなったり、周囲で起きている情報が遮断されしまいます。





これは。一点に集中をするという、脳で集中している状態です。





これが、集中を突き抜けると、五感を含めた身体で集中することが可能になります。





一点の集中ではなく、広がりのある集中です。





この集中状態こそが、本来の瞑想状態といっても過言ではありません。





脳は、直列(スーパーコンピュータ)の一点集中しかできませんが…





心は並列(量子コンピュータ)の全体同時集中が可能だといえます。





こういう集中がどこから生まれるかというと…





本当の意味での「真剣」になったときに生まれてきます。





ここで「真剣」と「真面目」という似ているようで非なる言葉を理解しておく必要があります。





しかし、まだまだ説明が長くなってしまうため、次回に持ち越したいと思います。





つづく…





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ヨガの起源シリーズをまとめてご覧になれます。

https://kohshirakawa.wixsite.com/zeroyoga

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